子どもと英語 ③ 小学生の英語

小学校での英語の授業 

『何を教える?』

 

それぞれの学校で何を教えるかは

私たちに一任されていました。

 

教科としての英語ではないので

 

・テストはなし

・評価もなし

・とにかく、楽しく英語にふれてほしい

・できれば、中学生になる前に、

「英語っておもしろい!」と感じてもらいたい

 

…というのが、教育委員会からの要望でした。

 

いろんな活動を自由に組み立てて

子どもたちが楽しく参加できる内容を

学年に合わせて考え、準備する。

 

とても大変な作業でしたが、同時に、

とっても楽しい時間でもありました。

 

今のように、本屋さんにたくさんの

英語の本やワークブックなどが並んでいたり

ネットで簡単に検索・購入できる時代ではなかったので

教材は自分で手作りすることもありました。

 

活動内容は、学年によっていろいろでしたが

基本的には、

 

身近な単語を覚えたり、

歌を歌ったり、

ゲームをしたり、

身体を動かしたり、

ときには、海外の文化やイベントを紹介したり。

 

子どもたちにとっては、

軽い気分転換や息抜きみたいな

時間だったかもしれませんね。

 

へたっぴなイラストの手作り絵カードを見て、

「変な顔~」とか、

「それなあに~、バスに見えなーい」なんて

ツッコミを入れたりしながら、

子どもたちもそれなりに楽しそうに、

活動してくれていたと思います。

 

のんびりした時代でしたね。

 

ただ、当時、教育委員会の担当者から、

1つだけ注文がありました。

 

それは、英語の「読み書き」はしないでほしいということ。

黒板やノートにアルファベットや単語を書いたり

読ませたりするような活動もやめてほしいと言われました。

 

中学生になる前から、英語嫌いの子供を

作ってしまわないようにという

配慮だったのだと思います。

 

担当する学年はいろいろでした。

 

中学校に向けての準備として、5,6年生を対象にする学校

一番元気な(?)3,4年生のクラスを対象にする学校

2年生から6年生までの学年を幅広く担当する学校もありました。

それは、学校側に一任されていて、

この事業に対する期待やとらえ方は、

学校によって、多少の違いがあるように感じました。

 

でも、どの小学校にも共通していたこともあります。

それは、1年生は英語活動の対象にしないということ。

 

ある教頭先生は、

「1年生は、学校生活と授業(お勉強)に慣れるだけでも

大変な時期ですから」と、おっしゃっていました。

 

当時は、何気なく聞いていたお話でしたが、

今、子どもたちのことばの発達を

お手伝いをする中で思い返してみると、

あの教頭先生のお話には、重要な意味が

あったのかもしれないなあと感じます。

 

~続きます~

 

momon