子どもと英語 ①  英語と「聴く力」

 

~みかんの思い出~

 

私が通っているジムの受付フロアには

別の会社が運営している

子どもの英会話教室もあります。

 

週末の朝には、ママさんやパパさんに手を引かれて

小さい子どもたちがやって来ます。

ときには、ぼーっとした顔でパパに抱っこされて

運ばれてくる子どももいます。

 

プレ・年少さんくらいかなあ~ 

かわいいなあ~ 

 

ハロウィンやクリスマスの季節には

教室の前の飾りつけが楽しくて

今日はどんなことするのかなあ~?

なんて、ちょっと気になるときもあります。

 

 

花子が3歳くらいの頃に

英語ネイティブのお兄さんやお姉さんと一緒に遊ぶ

デパートのプチイベントに参加したことがあります。

 

その時の私の胸の内は・・・

 

少しでも英語に興味を持ってくれたらいいなあ、とか

英語が得意になってくれたらいいなあ、とか

将来は海外で活躍する人になると素敵だなあ、とかの

願望だか妄想だかが、膨らんでいたんじゃないかあと思います。

(今思えば、まだまだ青い母でした。)

 

そのイベントでどんな遊びをしたのか

もうほとんど忘れてしまいましたが

1つだけ、今でもはっきりと覚えているシーンがあります。

 

それは、みかんの思い出。

 

いろいろな果物が描かれた絵カードが用意されていて

その中の一枚を先生が取り上げて子どもに見せ

果物の名前を英語で言わせる形式のゲームでした。

 

(本当は、もっと楽しい要素も入っていたと思うのですが、

全然、思い出せない、、)

 

子どもたちは、「バナーナ―」とか、「アッポー」とか、「メロン」・・・と

先生が向けてくれるマイクに向かって、元気な声で答えていました。

 

わからない子には、先生が発音してみせてくれて

それを真似して言えれば、ほめてもらえました。

 

次は、小柄でとてもおとなしそうな感じの女の子の順番でした。

カードの絵は「みかん」でした。

 

私はそのとき心の中で、「みかんは “オレンジ” だよ。大丈夫かな?」と

なぜか、女の子のことをちょっと心配していたと思います。

(周りの子どもたちと比べて、とても小柄に見えたからかな?)

 

でも、それは全く見当はずれの、大きなお世話でした。

(お恥ずかしい)

 

彼女は、とてもきれいな発音で、しかも、さらっと

「マンデュアリン・オウエンディ」と答えたのです。

( 私にはそんなふうに聴こえた…)

 

先生から、すばらしい!とほめられた彼女は嬉しそうに

保護者席で、私の隣に座っていた女性を振り返りました。

彼女のママさんだったんですね。

 

私はそれまで、「みかん」はなんでも、英語で

 “Orange”というのだと思っていたので

彼女の“Mandarin Orange”にカルチャーショックを受けました。

確かに、カリフォルニアで収穫されるようなオレンジと

日本の一般的なみかん(温州みかん)とは別物ですよね。

 

イベントが終わってから、私はそのママさんに

思わず聞いてしまいました。

「お嬢さんは外国でお育ちになったんですか?」

 

ママさんのお話では、外国暮らしの経験は全くなくて

英語はたぶん、外国のアニメ映画で覚えたと思う

ということでした。

 

続けて

ご家族の介護のために頻繁に、しかも

往復4時間以上かけて、車で帰省されていてることや

お嬢さんは海外のアニメが大好きで

車の中でもずっとビデオを見ていること。

好きな作品は飽きないらしく

何度も何度も繰り返し見ていることなども

お話ししてくださいました。

 

正味30分くらいのイベントでしたが、

終わった後、花子は上機嫌でした。

「 楽しかった!またやりたいなあ」と言っていました。

 

ただ、「みかん」の感動が大き過ぎて

花子の果物がなんだったのか?

いや、そもそも、答えられたのかどうか??

 

今では、全く記憶にありません。

 

ごめんね、花子。

  

それにしても、英語の発音は「聴く力」と直結していて

あのお嬢さんは、繰り返し「聴く」ことで

知識ときれいな発音が、自然に身についたということなんでしょうね。

 

子どもの「聴く力」って、すごいですね!

 

 

momon